田山信行

ケイトの田山信行のレビュー・感想・評価

ケイト(2021年製作の映画)
-
まさかのバニラトラック海外進出。
倉庫街走らせたら偽装にならないだろ。
近年見た日本の面白いもんということで出てきてるだけだと思うので整合性は気にしちゃいけない。

元々身体能力が高く精悍さいや増しのウィンステッドの“今”の個性を最大限に活かした素晴らしい企画。毒を盛られ血反吐を吐きながらズタボロになればなるほどに美しくカッコ良い最高のいい女っぷりを見せつけてくれる。

久々に間違いだらけの間違いしかないワンダーな日本が舞台になっててこういうの大好物。ありのままの日本なんか撮ってみたってつまらない。外国人の眼から見た日本という描写が最高に楽しいのだ。

作劇上、日本である必要性はそんなにないと思うんだけど日本文化への傾倒は監督か脚本家の趣味なんだろうか。ところどころ日本のロケもあるが大半はどっかの国に作った日本に似せてみた大規模なセットか装飾。コレが出来てしまうのが外国映画の凄さだな、まあ間違いだらけだけど。日本文化が好きなのであろうことは伝わってくる。

殺し屋がヒューマニズムに目覚めて……なんてのは何度繰り返されてるか分からないくらいだけど少女との関わり合いはグロリアを彷彿とさせる感じがあって好きだ。

変な日本描写は物語に少しノイズを走らせはするが作り手はあくまでも真面目。当の日本人だから気になるだけ。というか好物なんだ。大好きな女優の存分のアクションとヘンテコな日本と好みな物語のテイストといや本当お腹いっぱい。
田山信行

田山信行