アキラナウェイ

ハスラーズのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ハスラーズ(2019年製作の映画)
3.5
むちむちで、ぶりんぶりんで、
ぼいんぼいんのジェニファー・ロペス降臨!!

美しい……
のだけど、それは細く儚い美しさではない。
ぶっとくて強い美しさだ。野生動物の逞しい筋肉と美しい毛並みを指して言う様なニュアンスだ。

ストリッパー役として、ポールダンスを披露するジェニファー・ロペス。

ひ、ひ、紐やないかーー!!

もう、背中からお尻に一筋の紐しか纏っていない様な衣装(というか紐)で、目のやり場に困る(というのは嘘で、その一筋の紐をガン見である)。

祖母と二人暮らしのデスティニー(コンスタンス・ウー)は、生活資金を稼ぐ為にストリップクラブで働き始める。そこでトップダンサーのラモーナ(ジェニファー・ロペス)と出会い、彼女の協力を得ながら共に大金を稼ぐように…。しかし、2008年のリーマンショックにより景気は悪化。そんな中、ラモーナはウォール街の裕福な男たちから金を騙し取る計画をデスティニーに持ちかける。

屋上で毛皮を纏い、煙草を燻らすラモーナ。
上着も羽織らず、其処に現れたデスティニー。
寒かろうとその毛皮で彼女を包(くる)むラモーナ。2人の出会いのシーンが印象的。

…姐さん。
…僕も毛皮の中に入れて下さい。

"この街、この国全体がストリップクラブ。金をばら撒く側と踊る側の人間がいただけ"というのは劇中のラモーナの言葉。

煌びやかなネオン。
宙を舞うドル紙幣。
ばら撒く方も、踊る方もとにかくド派手。

あんなにお金を抱けたら、さぞかし気分が良かろう。しかし、その金がもたらす光と闇を巧妙に描いている。

富の絶頂からどん底へ。

4人のダンサー達は結託し、まるで釣りを楽しむ様にウォール街の男達を手玉に取り、酒を飲ませ、クスリを飲ませ、クレジットカードにサインが出来るギリギリまで酔わせて金を巻き上げていく。

男性の立場からすると恐ろしいのかも知れないけど、当方、その類の店に出入りしないので特段の感情も湧いて来ず。

痛快と言えば痛快ではあるが、観賞後の余韻はちょっぴりビター。ただ金を巻き上げるだけではなく、女性同士の友情に焦点が当たっていたのは良かった。

ばら撒く事も踊る事も出来ないので、ウォール街では生きていけなさそう。PayPayで支払う毎に、10数円が返ってくる事にほくそ笑んでいる僕はなんて小さな人間なんでしょう。