蛇らい

ハスラーズの蛇らいのレビュー・感想・評価

ハスラーズ(2019年製作の映画)
3.3
お金を稼ぐという手段、難易度に性差が生じている社会自体が彼女たちを生んでいる。さらには1人親家庭、低学歴というオプションが付いてくると、より生きることが困難になる。

単純に善悪で物語を語ることを許さない監督の意地がこの作品が作られた意味だと思う。国の法律的にはアウトかもしれないが、生き方自体には正しさがある。

監督のインタビューで、女性は"有害な男らしさ"の被害に遭っていると語っていて、なるほどなと思った。監督はその男らしさに縛られる男性の立場にも配慮しつつ、内に向かう幻想のように見えて、女性への扱いに皺寄せが来ているのは確かだと語る。

性別がお互い作用する影響は思ったよりも大きく、思っているよりも見えないところで作用し合っているからやっかいだ。だから疑問が生じた時点でひとつひとつ解決する道を男性と女性、お互いに探っていかなければ話にならないなとも思う。

本作が前評判でアカデミー賞に有力視さていてたのにも関わらず、一部門にもノミネートされなかったことについては、クレジットされた名前がアカデミー的ではなかったことが大きいのではないかと思う。

同じく女性のエンパワーメントを扱った『スキャンダル』はノミネートされていて、本作は無視という状況を見れば、映画の出来よりも"アカデミー的"がどれだけ大事なのかが分かる。さすがに作品賞ノミネートの作品群と肩を並べたりするのは無理があるが、アカデミー賞のなんらかの部門で評価されていてもいいのではないかとは思うくらいに完成度は高い。