あおたん

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコのあおたんのレビュー・感想・評価

3.8
推しを観るため劇場へ。

他の人も散々書いてるけど、変わり者を演じさせたら右に出る者はいないんですよね、ベネディクト・カンバーバッチ。でも今回は今までにあんまり見たことないピュアなタイプの変わり者。演技の引き出しどんだけあんの…。

画面の色彩ルイスの感情がリンクしているようで、幸せな時期は色彩豊かで美しく、不幸な時期は色彩に乏しい。ルイスもエミリーもルイスの妹達もあの時代ではどうも生きづらい性格の持ち主たちで、その中でルイスとエミリーが一緒に過ごした時間は奇跡みたい。

ルイスが作中でこだわる「電気」とは人や作品や場所や雰囲気に宿る求心力のようなものかなぁと思っていたけど、最後の最後で伏線回収されててウルっときた。
ラストカットの絵画のような美しさ。
作中で何度もエミリーが残した言葉がリフレインする。周りと違うことを気にしていなかったルイスが、エミリーとピーターという理解者得ることで孤独を知ってしまうというのがとても皮肉で切ない。

ベネディクト・カンバーバッチが青年期から晩年まで1人で演じてるけども、セリフ回しはもちろん身体の使い方、声の出し方までちゃんと年代を感じさせて技術エグない???

丁寧に装丁された一冊の小さな美しい絵本を読むような映画だった。
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