オヨヨ

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコのオヨヨのレビュー・感想・評価

3.8
ルイス・ウェインの猫の絵はどこかで見たことあったか?程度の知識。

中流階級の商人の家に生まれたルイスは、父が早逝し、ただ1人の男性として家族を養っていかなければならない立場となる。しかし、ルイスは人付き合いは苦手で繊細な感性を持ち、ルールに囚われない。ざっくり言うと発達障害(ASD)って感じの人。
仕事はするけど、金銭面に疎く絵が評判になった後も、金銭的にずっと苦労していたようだ。

妹達もさぞ苦しかったんだろうな。年長の妹をアンドレア・ライズボローが演じてる。兄の行動に一々目くじら立てて、兄を叱咤激励してたんだけど、疲れた表情が上手い。家族なりの複雑な感情があるのだろう。当時女性が仕事するのは身分の低い人がやる事で、未婚の妹達は活躍の場は全く無かったのでしょう。

そして、こういう役は本当にお上手なベネディクト・カンバーバッチの渾身の演技。
役に入り込む感じ。
身分が低く、しかも年上の妻(クレア・フォイ)。ちょっと似た者同士の不器用な人だけれど、変わり者のルイスを理解して支える素敵な人だ。
わずかな時間でも、二人で穏やかな生活ができた事は良かった。まるで絵の中に入って暮らしている様な演出が美しかった。映画館で観たかったなぁ。

晩年世間から忘れられ、精神病患者として劣悪な病院に入院していたが、支援者に見出されて絵を描くことが出来る環境の病院に移り再び絵を描き始める。

同じ猫でも晩年の頃の絵は凄味があり印象的だった。
オヨヨ

オヨヨ