Jun潤

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジのJun潤のレビュー・感想・評価

3.7
2021.12.03

「ヴェノム」から続く「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」第2作目。
前作のレビューでは続編制作に不安があるようなことを書きましたが、ちゃんとユニバースシリーズとして展開するということで、今作にも今後にも期待が高まってきましたね。
今回はIMAXにて鑑賞。

元々前作をヒーローものとしてではなくスーパーヴィランものとして期待していた分、少々肩透かしを喰らってしまいましたが、地上波放送された際にヴェノムが可愛い存在のように認知されていて、ああもうヴェノムはそういう存在なんだなと諦めて、今作はMCUとは趣の違うヒーローものとして楽しむことにしました。

地球外生命体であるシンビオートことヴェノムに寄生されたエディは現在も共生を続けていた。
自身のキャリアのため、殺人鬼で死刑囚のクレタス・キャサディに取材することとなったエディ。
ヴェノムの機転もあり、エディが死体の隠し場所を暴いたことで、ついにキャサディの死刑が執行されることとなる。
死刑執行の日、キャサディからメッセージを受け取ったエディは最期の面会に訪れる。
その際、エディの腕を噛んだキャサディはシンビオートの力を得てカーネイジへと変貌、脱獄してしまう。
キャサディは、25年前施設で知り合い離れ離れになったフランシスを取り戻すため行動を開始する。
一方のエディとヴェノムはというと、人を食べられないストレスと、ヴェノムにこれ以上目立ったことをしてほしくない感情がぶつかり、大喧嘩の末コンビを解消してしまう。
そして、それぞれの思惑と行動が交差し、ついに激闘の時が訪れる。

先述のようにヴェノムを可愛い相棒のようにしてみると、なるほどたしかに異形のものと人間による奇妙な共同生活や、価値観の違いからくる諍い、エディの部屋での行動が一人芝居にしか見えないシュールさなど、割と楽しんで観ることができました。
こっちが正しい楽しみ方だったのですね。笑

軸となるのはカーネイジことキャサディが自身の願いを叶えるための行動と、その意図を解明しようとするエディ、エディから離れて自由に動き回るヴェノム。
ヴェノムのコミカルな動きとカーネイジの禍々しくまさにヴィラン造形な動きの、シンビオートのギャップがたまらなくて、エディとヴェノムのやりとりに笑ったと思ったらカーネイジの登場にビビるなど、感情がもうジェットコースターでした。

アクションについても、前作の見え辛いものとは違ってシンビオート同士のステゴロ&プロレスといった感じ。
そこに対しても「ゴジラVSコング」のように人間の挟まる余地がないようなものではなく、高熱と高周波というシンビオートの弱点を突くサポート側の動きもあって、これまた見応えがありました。

でもやっぱりヒーロー不在の作品ではあるので、戦いたがらないヴェノムにつけた誰でも喰っていいという条件の顛末や、タイトルにもある“カーネイジ”=大殺戮の様相がもう少し見てみたかったところ。

ユニバースはまだまだ広がっていきそうですが、情報解禁されている作品なのか、そのまた先なのか、今後に繋がる布石を感じる描写がありましたね。

ミドルクレジットシーンに関してはもう……ああ、何を言ってもネタバレになってしまう!
なのでコメント欄にて…。
Jun潤

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