たく

hisのたくのレビュー・感想・評価

his(2020年製作の映画)
3.8
大学時代に別れたゲイの恋人が時を経て子連れで目の前に現れるところから始まる話で、同性愛に対する世間の偏見というよりは二人が自分たちの本当の気持ちにいかに向き合っていくかに重点が置かれてた。
恋人にしても奥さんにしても親子にしても、相手の気持ちを考えてあげることが大事なんだってことだね。

演出面ではあえてそうしてるのか分からないけど他の今泉作品に比べてだいぶ地味になってて、役者の演技も抑え気味たったのが印象的。

ほのぼのした前半から渚の奥さんが登場する中盤で一気に凍り付いたね。
子役の演技が達者で、その無邪気さでところどころ笑わせてくれた。ゲイがバレた直後のカフカ「審判」のシーンは場内笑いが起きてて、重い話を軽やかに見せていく手腕が見事。

後半の裁判所シーンだけはコントみたいでいただけなかった。特に奥さんの弁護人の堀部圭亮が漫画みたいだったし、日本の裁判で弁護人があんな声を荒げてやり合うものなの?って思っちゃった。
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