ナガエ

KCIA 南山の部長たちのナガエのレビュー・感想・評価

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
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状況を理解することが難しくて、なかなか物語として良い風に捉えることが出来なかったけど、こんな事件が起こっていたことには驚かされた。

1979年、パク大統領が暗殺された事件をモチーフとし、その暗殺の40日前からを描き出す物語。
1961年5月16日に起こった軍事クーデターによって、韓国に軍事政権が誕生。そのトップが革命を主導した一人であるパク大統領。そして、革命の同志たちを主要な役職につける。韓国には、中央情報局(KCIA)と呼ばれる大統領直属の諜報機関があり、KCIAの部長は、大統領に次ぐナンバー2の権力を持つと言われる。KCIAは南山にあったため、歴代の部長は「南山の部長たち」と呼ばれている。この映画は、同名の本をベースに作られているという。
大統領暗殺の40日前、KCIAの元部長であるパク(大統領と同じ苗字だからややこしい)が、アメリカの下院議会でパク大統領を告発する証言を行った。怒り心頭のパク大統領は、現部長であるキムに事態の収拾に当たらせる。キム部長はアメリカに飛び、パク元部長と接触するが、そこでパク元部長から、「このままだとお前も、俺と同じ運命を辿るぞ」と警告される。キム部長は、共に革命を行った同志である大統領を信じ支えたい気持ちもありつつ、キム部長と同等の側近である警護室長のクァクが大統領に上手く取り入り、キム部長を追い落とそうと画策する。
キム部長は、このままの韓国で良いはずがないと考えている。自分は状況を変えうる立場にいるが、大統領からの信頼が少しずつ剥ぎ取られていき、実権は失いつつある。大統領は既に、革命を志した時のあの人とは違う…。
というような話です。

かなり国際謀略的な感じが強くて、設定を追いかけるので精一杯でした(というか、追いかけきれずに諦めてしまった)。

こういう映画を観る時にいつも感じることは、自国民か他国民かで事前情報がまったく違う、という点に大きな問題がある。だから、映画そのものの問題ではない。

この事件、韓国国内では超有名でしょう。日本では、時の内閣総理大臣だった犬養毅が暗殺されているけど、これは1932年、かなり前です。でも、この映画で描かれている話は、1979年、たかだか40年ぐらい前の話です。国内では当然センセーショナルに報じられたでしょうし、その記憶は多くの人に今も残っているんじゃないかと思います。もしかしたら、学校の授業でかなり詳しく教わるかもしれません。そう考えると細かな部分の描写を省いても、韓国の人には通じるでしょう。

でも、そういう前提知識を持たない他国民が見た場合、結構しんどいんじゃないかなぁ、と思います。登場人物はさほど多くないのだけど、展開が結構早いんで、今どこで何が起こってて、それが前後の話とどう繋がっていくのかみたいなのを、僕はちゃんとは追えなかったなぁ。

だから、映画としてどうだったのか、みたいなことはほとんど書けないけど、とにかく、こんな出来事が起こってたのか、びっくり、という感想の映画です。
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