現代の日本で次々と出現した巨大生物。それらを禍威獣(かいじゅう)と呼び、禍特対(かとくたい)という組織が事態解決に挑む。そんなある日突如巨人のような生命体が現れ、禍威獣を撃破。ウルトラマンと名付けられたそのヒーローの謎と活躍を描いた特撮映画。
国民的ヒーローであるウルトラマンを「シン・ゴジラ」と同じく庵野秀明が総監修、樋口真嗣が監督の布陣で、今の日本を舞台にリブートした作品。
初代ウルトラマンは小さい時にビデオで全話見たほど好きだったし、後のシリーズも全部ではありませんが、かなり見た思い入れがあります。「シン・ゴジラ」がかなりの完成度を誇る作品だったので、当然期待していました。コロナ禍での公開延期で焦らされた事もあり尚更。
ネタバレには極力触れないように感想を。第一印象はとにかく詰め込んだなぁー！という感じ。初代ウルトラマンをご覧になってる方なら懐かしいと思えるキャラクターが出てきますし、敬意のあるオマージュもあります。
前半はまさに「シン・ゴジラ」の世界観をウルトラマンに置き換えた形でテンションかなり高め。特にオープニングからオリジナルらしさがあって、食い入るように見ていました。
ただ終盤の攻防については多少賛否ありそうですね。個人的にもあのキャラクターがそんな事する？とか、あの宇宙怪獣があんな形になる？とかはちょっと違和感を感じました。
2時間以内で起承転結まで持っていかないといけないから、全体的にかなり飛ばしすぎな印象もありましたね。もう少し長くても良かった気はします。早口による台詞回し、ひたすら早いテンポ、独特な撮り方など庵野節も相変わらず炸裂。
キャスト面もかなりの充実で、長澤まさみと山本耕史は本作のMVPでしょう。傑作まではもう一押し足りない気がしましたが、今の時代に初代ウルトラマンの原点回帰を見せてくれた事には素直に感謝。色々言いつつも楽しかった2時間でした。
