率直な感想としては、何だか(良い意味でも悪い意味でも)変な映画だな！と思いました。これは私がこれまでウルトラマンを観たことがなく、そもそも特撮ものにあまり触れてこなかったので作品の雰囲気や定番の演出がわからなかったから感じた事かもしれないので参考にはならないですが。
褒め言葉として「変態映画」という表現を使うように、この作品は独特な癖のある「変な映画」という印象が一番に感じた作品でした。
シンゴジラがゴジラに馴染みがなくても楽しめたように、シンウルトラマンも観たことがない、設定をあまりよく知らなくても置いてけぼりにならずかつファンなら何倍も楽しめるように一本の映画にした脚本とバランスが凄いと思いました。しかし予想以上にコメディ要素が強く、ウルトラマンの動きやでっかくなったヒロインなど色々シュールさを感じたりして最後まで世界観に没頭できないままラストにかけての戦いへの興奮があまり得られなかったのは残念でした。
怪獣や異星人たちの造形、キャスティングや演技は良くて楽しめました。特にメフィラス星人がとってもいいキャラしてるなと個人的MVPでした。異星人達の目的がウルトラマンとの対話によってわかりやすく描かれていたので、人間側メインの禍特対の面々よりよっぽど魅力を感じました。むしろ本作あまり人間側の有能さや人間的な良さが出ていなかったような…エンディングで痛みを知るただ一人であれとの歌詞が印象的でしたが確かに特に仲間達と打ち解けるようなエピソードもなくわりと単独で戦っていた印象です。ラストの戦法のアイディアは好きだったし要所要所であのシーン面白かった、あそこの音楽が良かったなどは覚えていますが、個人的には全体を通しては思ったより感情が盛り上がりきらなかった点がちょっぴり悔しかったなと思いました。ぜひファンの方視点での感想や考察を楽しみたい作品でもあります。
