そもそも手法に興味がないもので、ワンカットを売りにしようがしまいがどうでもいいです。私はそれ抜きにこの映画がいい映画だと思う。
一人の男が、情報を届けるなど無謀だと嘆きつつ、友の死を経て、使命感が芽生える。そして苦難を乗り越え、情報を届ける。そういう物語です。でも、彼の友が命を落とし、彼が命がけで届けた情報にはどれだけの価値があったのたろうか。彼の情報で止まった攻撃は、明日にはもう一度始まるだろう。彼の情報で今日生き延びた人は、果たして明日も生き延びれるのだろうか。そういうものなんです。そういう、どうしょうもなく救いようのなかった、歴史をまじまじと見せているんです。
何度でも何度でも思うべきです。
何のために、戦争などをする必要があるのか。
何のために、人と人は殺し合わなければいけないのか、と。