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1917 命をかけた伝令のfujisanのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.0
「この先を行くなら馬の死体を目印にしろ。そこを曲がると死体がある。その横の鉄条網に穴が開いているからそこをくぐっていけ」

こんな冒頭の衝撃的なセリフから始まり、とにかく戦場は死体だらけ。トムと主人公のスコはそんな中を伝令として進んでいきます。

人気の過去作品なのであらすじはこの辺で、以下はDVD特典映像から。

監督はサム・メンデス。007スペクター撮影終了後、良い脚本に巡り会えず、それならばということで、祖父であるアルフレッドの体験談を元に制作を決意。脚本は信頼できる クリスティ・ウィルソン=ケアンズに依頼したとのこと。

撮影監督はロジャー・ディーキンス。ワンカット撮影で行くと決めたディーキンすはアーノルド&リヒター社を訪れ、試作品の高性能小型カメラを頼み込んで借用し、撮影に望んだそうです。

撮影は詳細な撮影計画(ストーリーボード)をもとに撮影。精密な設計図をもとに全員が役割をこなす共同作業だったようです。

カメラマンが手持ちカメラで俳優についていくと、その先にはジープが待っていて、車に据え付けた可動アームに持っていたカメラを引っ掛け、そこから先はジープが走りながら撮影するなど、メイキングでは興味深い撮影シーンが多数ありました。

そんな中でも、苦労したのは天候とのこと。自然光にこだわったため、映像のつながりが不自然にならないように、同じ天候や雲の状況になるまで待つことも多かったそうです。自然はコントロールできないってことですね。



映画では、スコの無口な演技がリアルでした。やりたくて兵士やってるわけじゃないので当然ですよね。

あとは、桜(チェリーブロッサム)の白い花が印象的。トムがまだ生きていたシーンでの思い出話もそうですが、後半で出てくる、多くの兵士の死体とともに川面に浮かぶ一面の白い花びらは、この世のものではない印象的な世界観を感じさせました。



この期間は仕事がとんでもなく忙しく、ほとんど映画は観れていないのですが、この作品だけは映画館で観たかったです。
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