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1917 命をかけた伝令のRENのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.5
ワンカット、つまりカメラを切らずに長回しで撮り続けるということ。目まぐるしく変化する場面にワンカットであることを忘れ、映像に没入する。
野原、塹壕、基地、森、と移りゆくロケーションは観客を「この後は何が起こる、どこへ向かう」とワクワクさせる。
厳密にはワンカット風に撮っては3カットに見えるよう演出している訳ではあるが、三幕構成に則っているものと言える。自陣を抜け敵地に入る序盤、中盤では余りに過酷な戦地での任務への義務感と生き残りたいという葛藤が描かれ、クライマックスに向かっていく。
物語が進むにつれて主人公が足を速めていくのには、タイムリミットへの焦りに加え、彼自身の精神的な成長と覚悟が動きに表れていると思う。次第に強くなる「メッセージを伝えなくては」という気持ちが、体と物語を加速させる。
以外なことにカンバーバッチやコリン・ファース、マーク・ストロングが出演していることに驚き。
ストーリーも技法も演者も、全てにおいて瞬きの許されない程夢中になれる。
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