【さるもえる】
後回しにしていたら、アマプラ見放題では公開終了ギリとなり慌てて見た。が、オチまでが退屈で…ながら見したり、長回しショットはスキップしたり。それでも充分見れちゃった。
要となる事件の発端は、ある人物の“炎の不始末”だったが、なぜ起きた?が曖昧なまま、ずっと進んでしまう。源がそれじゃ、この物語を信用できなくなる。“信頼できない語り”。
びっくりなオチは、面白い提示とは思ったが、源問題が未解決だから響かない。上記のある人物が、最後で最重要の足りないパーツとして嵌るのに…ふ〜ん、で終わってしまった。
このオチはヒロイン、エマが計画的に進めたようにも映るが、タマタマそうなっただけだ。最終パーツ入手がタナボタってところによく、現れている。
チリ右傾化への抵抗映画?でも結局、エマの欲望という独裁政権から生まれたのが、最後にできあがった“ファミリー”でしょう?www やってることはピノチェトと変わらないよね。
あの“ファミリー”がどう運営されていくのか?そこまで描いてこそでしょう。どう見ても円満解決じゃないのだから。あんな“ファミリー”が増えたら、世の中どうなっちゃうのかね?
エマのダンサー設定にもギモン。肉体で欲望を謳歌する人物に、身体表現であるダンスは身近だけど、必須じゃないでしょ。あんなことしそうにない職業の方が、響くと思うのだが。本作だと、他のメンバー含め、ダンサーというのがチョーフシダラな人間に思えてしまう。
あと、火炎放射器。イチの違和感は、燃やしたい!て衝動や想いを身体表現するのがダンサーじゃないかってコト。ホントに燃やしちゃったら、自分にダンスの力がないって認めるようなもの。表現者でなくテロリスト。どこに共感せよと?
パブロ監督作で見たのは『伯爵』のみだけど、本作もアチラのように、笑いでまとめてほしかったね。わざわざ火炎放射器を用意してぶっ放すなんて、お笑い芸人のやることだから。
レゲトンは重要な要素だろうけど、私にはもう、どうでもよかった。見ている間、脳内に繰り返し響いていたのは、「さよなら人類」最後のあのフレーズ。
♪さるに、なるよー
…あ、邦題は意外といいトコ突いたかも。愛=欲望、と証明しているからね。
<2023.12.10記>