しん

秘密への招待状のしんのレビュー・感想・評価

秘密への招待状(2019年製作の映画)
2.1
このストーリーだと中々乗れないですね。演技などは二の次として、やはり主人公たちの都合のいい話の連続に辟易したというのが、一番の感想です。

ただ、そのストーリーの副産物として「寄付」という行為における、「真」の当事者の不在という問題が浮かび上がってきていたのは興味深かったです。今回はインドですが、寄付をする側でインドに想像力が及んでいる人物は一人も出てきません。唯一インドが彼(彼女)らの頭のなかに出てくるのは、観光地(sightseeing spots)としてのインターネット上のインドだけです。そして、イザベル自身のインドに対する思いも、ニューヨーク化していきます(ラストシーンが象徴的ですが)。このストーリーでありながら、ある種のヒューマンドラマやハッピーストーリーとして描いてしまうと、やはり受け入れられなくなってしまいます。

「寄付」が持つグロテスクな視座を描き出したという意味では、評価していい作品かもしれません。(そうすると、各キャラクターはある意味悪役的に見ざるを得ませんが。)
しん

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