離婚という白黒つけなければならない問題を、夫婦それぞれの白い部分と黒い部分をきちんと見せた上で、うやむやにグレーにするのではなく、白は白のまま、黒は黒のまま、ロマンチックかつリアリスティックに描いていくところが素晴らしかった。現状、ぼくの今年ベストの作品です。
詳しいストーリーは伏せますが、「クレイマー、クレイマー」がダスティン・ホフマン&メリル・ストリープだから痛々しかったように、「ブルーバレンタイン」がライアン・ゴズリング&ミシェル・ウイリアムズだから切なかったように、マリッジ・ストーリー」もアダム・ドライバー&スカーレット・ヨハンソンだからこそ痛々しく切なかった。
ふたりの性格や気持ちのすれ違いと呼応するように、西海岸と東海岸のギャップが描かれているのも、ロマコメあるあるっぽくて楽しかった。ことあるごとにLAはNYより広い（Spaceがある）から良いとかディスってて、映画祭だからかけっこう場内で笑いも起きてた。また、「ステイ・フレンズ」（大好きなロマコメ！）を思い出したりもしました。
離婚を描いた作品なのにタイトルが「マリッジ・ストーリー」なのも、本作が切なくてほろ苦いところであり、また特別で素晴らしいところだと思います。これから結婚する人、幸せな結婚生活を過ごしてる人、結婚に失敗した人、そして結婚なんて…と思っている人、すべての人に観てほしい傑作です。
さらに、Netflix作品なので好きなときに好きな場所で観られるというのも意義があることかもしれません。子育てや家事で映画館になかなか行けない人も多いし、そういう人にこそ観てもらいたい作品でもあるので。
Netflixでの配信は12月6日です。見終わった後にいろいろ話したくなる作品ですし、間違いなく来年のアカデミー賞にも絡んでくる作品だと思うので、ぜひご覧ください！
