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マリッジ・ストーリーのRIOのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.0
NYで舞台演出家として活動する夫・チャーリーと、LAで育ちテレビ出演経験もある妻・ニコール。
お互い一人息子を溺愛しながらも、二人は離婚に向けた協議を行いいがみ合っていた。

淡々とした展開ですが、7,80年代映画のようなフィルム風の温かな印象の画面作りに冒頭から引き込まれました。音楽、演出、現代を舞台にしていながらレトロな印象は個人的に嬉しくて、それだけで感動して観てしまい…。
題材や雰囲気から「クレイマー、クレイマー」が例に挙げられがちですが、あちらが親子の関係を主に描いているのに対し、今作はかなり夫婦というものにシフトしたイメージ。
それ故かなりリアルだったり、胸が痛くなるシーンも多いですが、離婚を通して結婚というものを描き、この題名とあのラストで締めくくったのはお見事と言わざるを得ません。

今作で賞レースにも名を連ねるスカヨハ、ローラ・ダーンの演技もよかったですが、個人的にはアダム・ドライバーの演技に何度か泣かされました。人の夫婦喧嘩を見て泣いたのは初めてです。終盤の表情も泣けるなぁ。
お互いが憎くなって離れる為の離婚に至って初めて、お互いの事を改めて見直したり見つめたりすることはどこか皮肉だなぁと思いつつ、他人同士が一緒になるというのはそういう事なんだろうなとも考えさせられました。
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