題名とは裏腹に離婚を描いた映画です。アメリカの離婚事情の良い勉強材料になります（笑）。弁護士が介入したとたん情が入る隙間はなくなり、全てが法律に則りシステマティックに進められてしまうんですね。お金もべら棒にかかります。本作の監督も離婚経験者とのことです。主演のひとりスカーレット・ヨハンセン（彼女も離婚経験者、現在親権を巡って裁判中）は、アベンジャーズなどのアクション色の強い女優ですが、実はこの手のヒューマン・ドラマの方がハマってるんではないでしょうか。不思議と本作では彼女に色気を感じませんでした。結婚当初は自分を抑えて良い妻であろうとしたけど限界が来てしまった女性の苦悩と葛藤を見事に演じてますね。そしてなにより旦那役のアダム・ドライバーが良いです。中盤ぐらいに、妻と激しく言い争う場面があるのですが、最後に泣き崩れるシーンにはグッと来ました。他の出演者も皆さん魅力的です。全員が役柄にぴったりはまっています。この映画に悪者は出てきません。誰も悪くないけど離婚せざるを得ない男女のお話です。
