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歌うつぐみがおりましたのとぽとぽのレビュー・感想・評価

歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)
3.5
何かに追われるように生き急ぐ無軌道な若者の劇的なラストまで命を燃やす

遅刻したり演奏を抜け出したりするティンパニ奏者の主人公ギアは、ルーズな自由人。よくクビにならないな!時間を守れない一方で、約束もないのに勝手に押しかけたり、自分勝手でだらしないダメ男。女性にも目がなくナンパばっかり、本当に人間が自分本位・自己中心的に気持ちのまま生きたらみたいな状態を体現するが、憎めないキャラクターでもある。
自由≠自己中?だけど、そんなことばっかりしていると人間関係も希薄になっていくし、群れられない…。規律キビキビ雁字搦めな"現代人"へのメッセージかとも思って見ていたけど、あの思いがけないラストを考えるとどうなのだろうか。ヌーヴェルヴァーグっぽい空気もあるし、『落葉』と同じオタルやマリナという名前も出てくる。

勝手に関連作品『勝手にしやがれ』
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