Narumi

私のちいさなお葬式のNarumiのレビュー・感想・評価

私のちいさなお葬式(2017年製作の映画)
3.8
むっちゃ可愛い笑笑

小さな村で教員をし、たくさんの教え子に慕われているエレーナもとうとう定年退職を迎えた。
ひとりで何でもやり、慎ましく生活していたところに医師から余命宣告を受けてしまい、改めてもう長くない自分の寿命間を見つめ直す。
村を出て忙しくしている一人息子のオレクにはやはり迷惑をかけたくないという気持ちが日に日に強くなり、自分が生きているうちに葬式の準備を始めるが、釣った大きな鯉を押し付けられたり、死亡診断書が必要だったりと思いがけぬ壁に当たり…

本当に可愛い。
特に自分用の棺を買って持って帰る途中のバスの出来事。棺が真っ赤でかっこいいんですよね。で、それを見つけたエモ?系の若者2人組に「棺の写真を撮らせて」って棺をバックに2人がポーズ決めた写真撮られるんですよ。
「これ、入ってるの?」と聞かれて「ええ(私が入る予定だよ)」と答えたあとも、「むっちゃキモい!(多分ヤバい!くらいのニュアンスで褒めてる)」って言って再度写真撮るんですよ。なんの心配もしてなさそうな、深く考えない軽いノリって、否定されない救いみたいなものがありますよね。

『マルタのやさしい刺繍』が大好きなんだけど、ちょっと近いような気がする。
死を通して見つめ直す友情や家族、誇れるだけじゃない人生だけど捨てたもんじゃない感というか。
大きな展開がなく、ゆるっと流れていくので退屈に感じる人はいるかもです。
でもなんか笑えるのと心が温まる。

恋のバカンスが流れるんだけどまさか鯉とかけてないよな…?
不可思議だけど嫌な感じがない映画。
Narumi

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