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劇場版 SHIROBAKOのmarimoのレビュー・感想・評価

劇場版 SHIROBAKO(2020年製作の映画)
3.9
過ぎ去った4年の空白を埋められないまま様変わりした現実に戸惑う
どこかでこの夢が醒めないもんかと願うも非可逆な現実は淡々と時を進めていく

変わらずに続くものなんて無いことは理解はしているけど、こんな月日の流れの残酷さは見たくないよって気持ちが自分の周りをぐるぐる回って現実というものに嫌ってほど向き合わされていく

楽しみにしてたSHIROBAKOはこんなんはずじゃないはずなのに
登場人物たちの今は紛れもないリアルで、過ぎた時間の隙間が少しづつ埋められていく

もう元には戻らないけど、変わらないものが再び重なり合って、あのSHIROBAKOの世界が再構築されていく

まるでアベンジャーズのように集結していく様に爽快感を感じながらも、またあと少しでバラバラになってしまう事を知っているから切なさが拭えない

SHIROBAKOが描く業界のリアルは何も変わらないのに切り口が1番目を背けてた場所だったから、今にしがみつきたくて仕方ない

安易な劇場版じゃない
これは劇場版でしか描けないSHIROBAKOであり、SHIROBAKOが描くべきだったテーマなんだ

爽やかとも前向きとも違うのに、確実に歩を進める勇気をくれる作品

お見事でした
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