すずき

マトリックス レザレクションズのすずきのレビュー・感想・評価

3.0
「マトリックス レボリューションズ」から60年後。
ネオは前作ラストから、肉体は20年程度の老化で、バージョンアップしたマトリックス世界に囚われていた。
外の世界で生きる人類にとって伝説である彼が生きている事を突き止めた女性バッグス。
彼女はコピーされたモーフィアスの人格プログラムと共に、ネオを再び目覚めさせる。
外の世界で目覚めたネオは、死んだはずのトリニティが生きている事、そして彼女もまたマトリックス世界に囚われている事を知り、奪還作戦を開始する…

良い所もあったけど、やっぱり残念な続編。
まずは良い所から。

前シリーズ3部作が、主人公の作ったゲームの内容だった、という設定の序盤。
ところが精神病を患う主人公にゲームのキャラが目の前に現れて真実を告げ、主人公は妄想か現実かが曖昧になる…という前半部分の展開。
この世界がホンモノかニセモノか分からない、という初代「マトリックス」の少し捻りの効いた焼き直しだけど面白かった。
主人公のゲーム会社の親会社のワーナーが続編企画を無理矢理立ち上げた、という描写もあって、この「8 1/2」っぽいメタ路線で突っ走って欲しかった!
だが結局はその世界も、前作から地続きのマトリックス世界で、目覚めたネオが生きていたトリニティを救う、というありきたりな続編展開になってしまうのが非常に残念。
ネオとトリニティに幸せな結末を用意してあげる所は否定しないけどさ。

あと「〜レボリューションズ」の後の、外の世界の人類が描かれたのも良かった。
機械やロボット、マトリックス世界で生きる人格プログラムにも、マシンシティから離反する者も現れて、外の世界の人類はそういった者達も受け入れて協力しながら、マシンシティとは停戦状態が続いている、という案外平和で悪くない状態。
前作でネオが犠牲になったのが報われているようで良かった。
でも、今回の事件でまた人間と機械の関係が悪化して、戦いが始まってしまうんじゃないか?という不安は感じた。

悪かったのは、まず第一にアクション。
ユエン・ウーピンが抜けたのは大きく、アクションが見辛く、そんなに面白くなかった。

あとストーリーがよく分からん所もいくつか。シリーズ毎度の事ではあるが。
スミスが復活した理由もよく分からんし、クライマックスのトリニティ覚醒も分からん。
その後、なんか平和になってる理由もよく分からんかったー!スミスどうなったん?

ラスボスとのタイマンみたいなのがなくって、戦闘ヘリ×3から逃げきる!のがクライマックス。地味。
でも大量投身自殺アタックは絵面が面白くて良かった。

モーフィアスにしろスミスにしろ、役者も違うし、過去キャラを無理矢理出した感あるストーリー。
この2人別に出さなくても良かったよね…?

黒幕のマトリックス内の時間を操る能力、どうやって倒すのかと思ったけど、そのままその能力はフェードアウト。伏線ですらなかった!
初登場時に見せる能力が、その後一度も使われなくて無かった事になるとか、ジョジョあるあるかな?

あとトーキョーが出てくるけど、ほんの少しのシーン。別にいらないかなぁ…。