いずみたつや

マトリックス レザレクションズのいずみたつやのレビュー・感想・評価

4.5
期待したものとはまったく違う予想外の作品で驚きました。“シリーズらしさ”に耽溺するループを良しとせず、「変化」を高らかと打ち出したことに最初は戸惑いながらも嬉しさがじわじわと込み上げてくる。

「偽りの天国」よりも「つらく厳しい現実」を押しつけるような、時代感覚とのずれが生じてきた部分をめちゃくちゃポジティブで現代的なものにアップデートして見せたことは本当に痛快で見事だと思います。

ウォシャオスキー兄弟から姉妹になったことで物語への向き合い方が変わっていることがありありと分かるし、乱暴に「リセット」するではなくて、「今はこう思う」という監督の表明になっているあたりがとてもカッコ良いと思います。

1作目では、「飛ぶこと」が革命の始まりを予感させる突き抜けるような快感をもって描かれていましたが、今作でもとても重要な瞬間として飛ぶ描写が登場します。

これが1作目とはまた違ったメッセージになっていて、思わず涙がこぼれました。