あやかしゃん

地獄の黙示録 ファイナル・カットのあやかしゃんのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

あれ、ベトナム戦争って何と何が何のためにやった戦争だっけ…とひたすら不安になる。
サーフィン大佐に同伴しているとき、なんだろう、この無意味で脈絡のない爆撃は。
いや、というかトチ狂ってるんですけど。
撃っておいて死んでいなければ病院に運ぶ。
じゃあ撃つなよ、と思う。
無意味な戦争だということも撃って手当する意味不明な軍記も後半にはっきり指摘される。
今までに観た他の戦争映画がいかに大義名分を立てていたかがわかる。

カーツ大佐は「狂っているのは俺か世界か」という状態なのかもしれない。
誰かが止めなければならないけれど、止めないといけないのはカーツ大佐なのか?
司令官不在で銃弾飛び交う戦場を抜けて、その先には転がる死体とひれ伏す現地人。
あるときは耳に心地よいポエムで支持を集め、あるときは狂った狂気で嬲り殺して恐怖を植え付ける。
カーツ大佐は戦争そのものの擬人化だ。

ところでカンボジアに船がついたときのヤシの木だらけの中に崩れた石碑がある光景、『ONE PIECE』のどこかの島に到着したときに観たことある気がして、そういうふうにいろんな作品がこの映画に影響を受けているのだろうな、と今さらながら。
あやかしゃん

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