ぶりりん

地獄の黙示録 ファイナル・カットのぶりりんのレビュー・感想・評価

4.7
地獄の黙示録を劇場で観るのは3度目。
公開時と18年前?のディレクターズカット、そして今回のファイナルカット。
昔も今も印象がほとんど変わらない不思議な作品。
高校生の自分は、初めて観る戦場におったまげながらワクワクしたし、50過ぎた自分も戦争の顛末を知りながらこの地獄めぐりにやっぱりワクワクしてしまった。
構成がUSJかディズニーランドのアトラクションみたいだもんね。ある日突然謎の指令を受け、未知のジャングルをクルーズしながら遡っていくとそこには見たこともない地獄が待っていた!って。しかもいく先々に強烈キャラが現れラスボスはヘゲ声のマーロンブランドと来たもんだ^_^

そしてフィクションである地獄が半端なくリアルに近い事も時代を経てなお色褪せない所以でしょう。
70年代後半から80年代にかけて数多くのベトナム戦争映画が作られたけど、ここまで戦場そのものを再現させたのはコッポラしかいない。終戦から数年しか経っていない生々しい空気が画面から匂ってきそう。撮影の過程がコッポラにとっての地獄だったというエピソードも業の深さを感じさせます。

ラストのカーツ大佐の帝国シーンは今でもどう観たらいいのかよくわからない。寓話なのか、白人のステレオタイプな幻想なのか、コッポラが早く終わらせたかったのか、でも少し不完全にみえるところもまた作品の魅力なのかも知れないな。
ぶりりん

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