骨折り損

ワンダーウォール 劇場版の骨折り損のレビュー・感想・評価

ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)
3.2
もっと見たかった。

でもそれは、いい意味だけではない。

いい意味では、作品の世界観はとても好みだったし、寮の美術や学生のキャラクターも凝られていてダラダラと会話するだけでも見ていられるなと思った。

でも逆に、世界観が好きだったからこそ、この人たちがどうなるのかもう一山二山展開を見届けたかった。ワクワクしてきたところで突然終わった感じが否めない。そこがもったいないと感じた。

主演の須藤蓮の演技は程よく力が抜けていて押し付けがましさがなくいいと思った。岡山天音のいい人そうな感じも好きだった。あと若葉竜也の適当な男の感じも笑えてよかった。
ただ、一回生のキレる男でけっこう冷めてしまった。
寮を守るという目的のために学生たちが立ち上がるという構図は面白いはずだった。だけど、この一回生の男の変な熱さが全てを茶番のように感じさせてしまった。「寮を守りてえよ!とりあえず嫌なんだよ!」みたいな特に理由もなく暴れたいだけな感じが透けて見える表面的な感じが、ああー大学と戦争するって大袈裟な事なのかもしれないと我に返ってしまってそこがこの作品に入り込めなかった大きな要因になった。

それでもけっこう興味を持って映画を見る事ができていたが、最後があっけなさすぎて驚いた。そもそもモキュメンタリーだとしても映画でこんなにナレーションで話を進める事自体違和感を感じていたが、最後にはもう映像もなくなり文字だけで何分にも渡り結論を説明していたのは、何のための映画なのかと思ってしまった。正直この演出は映画館で見ていたらけっこう腹が立ったと思う。

あと一つだけ言いたい。
成海璃子が大学職員として登場した時、岡山天音が彼女の胸を見ていたと言いがかりをつけられるシーン、のちに名札を見ていたとわかるのだが、

そりゃそうだろ。

そんな人の胸をガン見する人いないし、明らかに名札を見ている目線だったのでこのくだりが笑える訳でもないのでただただ謎だった。

色々と言いたいことはあったが、もっと知りたいとは思ったのでドラマ版も見てみようと思う。
骨折り損

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