ロアー

ザ・レポートのロアーのレビュー・感想・評価

ザ・レポート(2019年製作の映画)
3.6
アダ活スペシャル10作目。
CIAの尋問プログラムに関する調査を任されたアダムが、9.11以降、CIAが強化尋問という名の拷問を行っていた事実を突き止め、明るみに出そうと奮闘する実話を元にした作品。

ハムさんも出てるので、観るのが楽しみだった作品。
ジェニファー・モリソンやマイケル・C・ホールなど、ドラマで見慣れた顔も出演していて、ちょっと嬉しくなりました(が、役どころはCIAなので端的に言えばアダムの敵)

そもそも、スーツ姿のアダムってレアですよね?
あまりスーツキャラ演じていない気がする(もっと芸術家肌な役が多い)

組織ぐるみの隠ぺいという腐敗した部分ってやっぱりどこの国もあるんだなぁ~って思ったし、構図としては、企業なんかの結果が求められる職種において、ニュース沙汰になるような大きなことから些細なことまで実は身近にある話だよなって思いました。

ただそれをやったのがCIAって大きすぎる組織だったことや人命に関わるということ、結果を求めてくるのが国であり国民であると考えると、ホントとんでもない話でした。「24 トウェンティ・フォー」が引き合いに出されたりしてたけど、フィクションとはいえ非常時なら何でも許される~みたいな思考をすんなり受け入れてたことや、どんなに大きな組織でも良くも悪くも実際に動かしてるのは1人1人の生きた人間でしかないってことを改めて考えてしまった。

この映画、劇中では何年もの歳月が流れていて、諦めずに根気強く正義を貫こうとしたアダムの役どころにスポットライトを当ててる点も、とても意義のある作品だったと思います。アダムの地味ながらも実直な演技がとっても光ってました(コメディ系の映画では、女性とベッタベタにいちゃつきがちなアダムとはまるで別人)

記者がアダムに尋ねた「どうしてCIAは嘘をでっちあげたのか」
そしてがアネット・ベニングが語る「こうありたいと願うアメリカの姿とは」
その辺の答えが最後に詰まってて、とても印象深くて濃いラスト20分でした。
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