jonajona

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷のjonajonaのレビュー・感想・評価

3.5
サクサク死んでいかないのが残念。
ついに仕掛けてくるか!?と思いきや…って展開が序盤繰り返されすぎて少し物足りぬ。2回くらいならアリなんだけど、その後のホンチャンではもっとガッ!!ってきてほしい。振りに振ってちょっと手首切られた…とかだとあんまりね。
でもお化け屋敷としてはかなり怖いので実際行ったらチビると思う。お化け屋敷ってマジでたまに行きたくなるけどもう3年くらいいってないな。
とにかく肝心のバイオレンス描写を正面切って見せず何故かオミットしてんのが歯痒すぎる。フリを丁寧にやりすぎて焦らしが長いと飽きちゃうもんだな…

しかしラストの切れ味は良かった。やられたことはやり返す!この終わり方は凄い格好いい。

【良かったシーン】
・シーツを被ったお化けの人が足をはみ出して見えちゃってて、見られた!って思ってシーツの中に引っ込めるシーン。使い古された感じの汚いスニーカーで、殺人鬼側も案外大した人間じゃない…でも人間なんだって感がする。
単純にシーツマネキンが並んでる部屋も怖かった。

・明らか罠すぎるエスケープルームの展開。部屋中に指示が書いてて、指示通り色々探ってると結局誰かの血の付いたベット下に誘導されてでも探らないと出られない…ベット下って無防備だから怖いよね。バレたら匍匐しかできないし。匍匐って感じ葡萄にそっくりやね。

・ラストのスカッと展開。
なんやかんやヒロインがちゃんと強くなって生き残るのは嬉しい。ホラーでよくある逃げたと思ったら最後に結局捕まりましたエンドに見せかけて…自分がトラウマを抱える家にトラップしかけて自分の武器に変化させるのは脚本的にも綺麗だなあと感心した。

・お調子者でなんならウザイおデブの男子がピッキング技術なんかもあったり判断力も中々あり案外頼りになる展開。まともなヤツ一人いたので見てて悪い方にご都合すぎる感じにならなかった。喪!🙏



【残念ポイント】
・焦らしが長すぎる。女の子が壁穴に手を突っ込んで『ちょっとだけ』切られた!って所で一回落ち込んだ。あそこで腕チョンパとかで勢いよく進んで欲しかった。早すぎるくらい序盤にドン!とかますの大事…

・そこから派生して『どこまでがショーかリアルか判然としない不安』というのも中盤以降も引っ張ってたけど、その緊張感は最初は面白かったものの流石に無理があった。最初の赤の他人の殺害シーンは理解できるけど、友達殺されて、そのあとスマンスマンあれ嘘嘘、って怪しい覆面に言われて普通に相手と会話してるのやっぱおかしい。
相手がやばいヤツかもしれないから友達を殺したのか!?こいつらまともじゃ無い!って正面突破で詰問したりするのは怖いって心理かもしれないが、だとしたら仲間内で現実かショーかどっち?て言い合いするシーンなんか挟んで欲しかった。その方が納得できたかも。

・最後の最後の展開に至るまでは、合間にフリを入れてくるのだが意外とDV親父の家庭環境で育ったという主人公のトラウマ・背景があまり役に立ってない。

(これはほんとマジでできればDVクソ親父が実はめちゃくちゃ強くて殺人館組と対決して父の恐怖を乗り越えたい娘は両者とも対立して三つ巴…ってなって欲しかった!!そうなるんだと思ってワクワクしたら親父瞬殺でガッカリした)

・多分ラストの爽快感のフリのために、主人公がリベンジする展開やトラウマ克服の気をかなり後ろに伸ばしてる。伸ばしてるから主人公が中盤後期くらいまで自発的に行動することが少なく消極的で、仮にこれが周囲の反応に流されず危うげな気配を自分で判断し察知できるという危機管理能力の高さという特徴を表す描写なら(実際そういうタイプのホラーヒロインは多い)よかったものの、実際には彼女が提案する案はことごとく悪手だったりするので応援できない。
デスゲームは基本的にみんなが取り乱す中で主人公が正しい判断を選ぶタイプでいてほしい。賛同を得られず失敗する、とかならいいんだけどストレートに勘が悪いヤツだと最後まで生き残るのを素直に応援できない…。今回はわりとそんな感じ。
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