ほんとうに間も含めて確かに存在している、ということが描かれているのだね。長回しの会話は脚本がないのではと思うくらい本当にただの会話だった。この会話を経験したことない人はいない、というか。それとは対照的に恋愛が含まれてしまって空気そのものがどうしようもなく面倒というか、あの感じも日常にひどく良く転がっている。楽しいという空気が何から生み出されるか、が明瞭に表されているようでびっくりした。対比で入れてくるシーンうま。良い意味でみんな自主制作の映画に出てそうな空気だからこそ、成田凌さんの役が浮き上がって、どうして一緒にいられないかはなんかわかるような気がしてしまった。本当の自分でいられないって難しいよね。
好きな人といたら幸せじゃん、とはよーゆったもので、案外好きな人といた時間は幸せじゃないことも多い。振り返ってはじめて、失われてはじめて、確かに存在してる思い出のあの空間を正しく評価できる気がする。そんなかんじ。
