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アフター・ヤンの大大のレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
4.3
ルーツの民族がバラバラの3人の家族が暮らす近未来。

父は、中国系の娘の民族帰属意識のために、好きでもない中国茶に没頭し、

娘の兄として、中国系青年のビジュアルをしたロボットのヤンを家族に迎える。

突如動かなくなったヤンの修理に奔走する父は、ヤンの内部に仕込まれていたメモリーに記憶された、ヤンの断片的な記憶映像を目撃する。



(以下ネタバレ気味)



妻は、ヤンの復活を諦め、ロボットの力を借りずに、自力で家族の新しい始まりを望むが、夫にその意識はなく、ヤンの記憶探索に没頭する。

そこで、見覚えのない女性と接触し、恋愛関係にあることや、彼女がクローン人間であることを知る。

ヤンと会話をしても、相手を不機嫌にさせないような差し障りのないトーク運びで、プログラミングされた情報源から話しているなどから、

所詮ロボットであると割り切っていた父にとって、ヤンが自発的に恋愛していたことは驚きの事実であった。

記憶を深掘っていくと、短期間だけ別の家族で生活して返品されたこと、さらに前の家族では長い生活があったことを知る。

その家族には中国系の弟がいたが、仲違いしてしまったこと、介護に訪れた女性との恋愛、喪失を経験し、その女性のクローンこそが、今の彼女であることがわかる。

今の彼女は、自分自身ではなく、かつての恋人の姿を追って自分と付き合っていたことに絶望する。

そして父は、
ヤンの記憶映像を観たことがなくとも、娘のなかにヤンの記憶の一部が生き続けていることを知る。
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