おみ

アフター・ヤンのおみのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
4.2
毛虫の最後を人は蝶々と呼ぶ。

何がどうだったとか答えを求めすぎだな人間は、別に良いじゃない。と言われているような、、観るのではなく流れに身を任せる映画でした。瞑想的な感覚でみると良さそう。それでも映画に答えを求めてしまう方はアート作品として観ましょう。
冒頭10分くらいでわりと監督の雰囲気じゃないシーンになって、、え?どんな感じのやつなんだろう、、って考え出しましたが、数分後には没入してました。
素晴らしい。。。。
ある瞬間に泣けてくる。没入しすぎて忘れていたが、なんだこの素晴らしい音楽は、、あ!!坂本龍一だった!!忘れた自分にビックリ。(それほど没入)
ヤンが動いていた時のシーンはあまり出てこないのに、心配している周りの様子と断片的な映像からヤンの存在の大きさを感じる。すると彼がもう再起動できない事実が悲しくて坂本龍一の音楽も良すぎて泣けてくるのだ。
そう、、再起動。
これはSF作品なのだ。
監督の振り幅すごい!
坂本龍一だけではなく、随所に日本の音楽を感じる。UAのMizuiroのスコアアレンジも素晴らしく(そのまま流れても歌詞も合っていたと思うが)リリィシュシュの曲も非常に効果的に使われている。
映像はさすが小津安二郎リスペクトのコゴナダ監督👏
間違いなく私のお気に入り監督の仲間入り。(前作コロンバスも超好き)

そして席を立ち、1歩踏み出した瞬間に思う。。
コリンファレルってこないだロバと戯れてたやーん!!!思えば見た目もあんなに変わらず、全く違う人物になってた。コリンファレルってわかって観てたけどイニシェリン島と結びついてなかった、、、
今最も目が離せない役者ではなかろうか。
より一層彼のオスカーを願いました。(逃したけど!)

書ききれない感想が溢れてくる作品でした。
「無があるから有がある。」
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