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アフター・ヤンのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

家族として暮らしていたアンドロイドが故障してしまう話。

アンドロイドを描いた作品という事で、最初はシンプルにSF映画として設定や世界観を楽しんでいました。
ところが、中盤から話がどんどん哲学的になっていくんですよね。

「家族とは何か?」「人間とは何か?」「死とは何か?」と、いろいろと問い掛けてくるのは良いのですが、テーマが多岐に渡り過ぎて、一体何を言いたい映画なのか分からなかったです。
主人公である父親がアンドロイドを家族(人間)として認める…までの話なら、父親を差別的な人間にした方が分かり易かったと思うのですが、ちょっと偏見がある程度の人間なので、彼の成長も分かり難かったなと。

アンドロイドの記憶を探るミステリー要素にしても、恋愛をしてただの、相手がクローンだの言われても、イマイチ、ピンと来ない。
アンドロイドの恋愛やクローンの問題など、深く考えた事も興味もない事をサプライズ的に出されても、意外性を感じる以前に理解するので精一杯になっちゃうんですよね。

個人的には、接ぎ木を使って包摂的な家族のあり方を説明する件は良かったし、家族の多様性というテーマに絞ってくれた方が分かり易くなった気がします。
小津ミーツな映像は雰囲気があって良いし、幾何学的なメモリのデザインなど見所もあるのですが、私にはちょっと難しい作品でした。
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