ぼっちザうぉっちゃー

355のぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

355(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

意外に硬派なスパイミッションもので、色んな意味でファッションに逃げてない骨太な印象だった。
とはいえ女性スパイものであるのに違いはなく、世界各地を飛び回りファッションショーをするかのように、その華を活かす様々なスタイルも楽しむことができた。またその中には、着飾って口うるさい女性と落ち着き払って紳士ぶるスーツ男性、という今作にも通ずる男女対立構造に対する皮肉を込めたビジュアルイメージも感じられたりした。
そして各国のエージェントが集まることで、色んな訛り方の英語が楽しめたりもする。個人的にはコロンビアの情熱的なスパニッシュ訛りが好き。

アクション的には正直そこまで印象に残るようなものはなく、公衆の面前で堂々と銃ぶっ放すのが衝撃的だったくらい。スパイらしからぬ、とまでは言わないけれど、サプレッサーにも限界があるのではないかな。あと基本裏方のメカ担当・ブレーン役が、ステゴロもちゃんと強いってのはやっぱなんかいいな。

陰の生業の暗部に触れる際の、女の生き様的な情感を介したしっとりさはやはり女性スパイものならではの感じがあった。そしてその特別柔いところに付け入られ奪われる展開はなかなかショッキングだった。ただ巻き込まれただけの精神科医の家族は助かってよかった。。。
メイスとマリーの奇妙なシスターフッドをもう少し観たかった気もする。