うかりシネマ

355のうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

355(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

世界中のあらゆる電子機器を遠隔で操作できる“デバイス”を巡ってCIA、MI6、連邦情報局、DNI(コロンビア)のエージェントが集結する……という定番のスパイ映画かつシスターフッド。

戦う場所は洒脱で、常に混戦なので見ていて楽しい。女性でも無理ない範囲でアクションも華麗。
ストーリーは世界規模のマクガフィンを追うありがちな展開だが、立場の違う4人の女スパイが利害関係で結ばれる設定がかなりいい。1人だけ素人だったりそれぞれのキャラ付けもカップリングもいい。
前提として全員がノンケで恋人・配偶者の男性がいて、百合的世界観でもフェミニズム的世界観でもないのが助かる。
多国籍なのもポリコレ的なメッセージ性よりも「中国人なら長物で戦う」みたいな面白さを優先したもので、押し付けがましさがない。

静かなスパイ的攻防からシフトし、クライマックスのアクションは派手に暴れるが、カタルシスのための動機があるのもしっかりしていて気持ちいい。
適度に複雑で目的に分かりにくさはなく、キャラが魅力的でアクションも面白い。充分にスパイ映画欲とシスターフッド欲を満たしてくれる。
ラストはかなり雑なので、布石を打っておくとか処遇をはっきり描くような綺麗な終わり方をしてくれればよかったが、ここだけ残念。