著書「新聞記者」を基にした映画がスマッシュヒット。その映画と同時に企画されたという、東京新聞社会部の望月衣塑子記者のドキュメンタリー。
取り上げられるトピックは、辺野古埋め立て、宮古島駐屯地の弾薬庫問題、山口敬之レイプ疑惑、モリカケ、今年の参院選、記者クラブ問題、官房長官会見における質問妨害など。
結論から言うと「新聞記者」より、全然おもろい！
あれがどんよりダークトーン&救いのないエンディングだったのに対し、このドキュメントの、なんとアッパーなことよ。
その要因はひとえに望月衣塑子その人のハンパないキャラ立ちっぷりで、チャキチャキ時々間抜けな言動には、痛快さを覚えずにいられない。
社内デスクとの電話を中心とした激オコシーン、菅官房長官との会見バトル、あと籠池夫妻の漫才にしか聞こえんやり取りね。
勿論、上記のようなトピックなんだからシリアスな局面もあるものの、印象としては爆笑ポイントてんこ盛りって感じ。
一応、菅義偉や上村報道室長、山口敬之、あと官邸警備の警官なんかはヒールポジションなんだけど、必要以上に悪くは描いていないあたりは、森監督らしいバランスで非常に共感できました。
ただ参院選での安倍総理の街頭演説における群衆の分断を背景に、森監督のモノローグで語られるのは、かなりストレートなメッセージで、前作「FAKE」の虚実の皮膜で揺れる「プロレス」的な終わり方とは対照的。
まあ題材からして自らのスタンスの表明がマストであるという気持ちはわかるので、これはこれで...とは思うけど、ちょっとした違和感もなくはなかったかな？
いずれにしろメディアが作る空気、その空気に影響された同調圧力には、抗していきたいもんです、わたしゃ。
