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i-新聞記者ドキュメント-のebiflyのレビュー・感想・評価

3.8
自分のような比較的右寄りの人間はそもそも観ない映画なので、評価が比較的高いのかな、とも思った。"俗に言う"リベラル派が好きそうな主戦場も観たが、i新聞記者の方が偏りはなく、陥れようという悪意は薄い。あくまで「こういう事実がありますが、みなさんはどう感じますか?」という問題提起でしかない。

基本的には全て知っている事実というか、政府はここまでわかった上でああいう振る舞いに徹しているから政治家なのであって、批判も込みでやっていることは間違いない。逆に、この映画を観て「そうなの?!」と思っている日本人が比較的多いということが怖い。こういう映画が必要なこと自体、日本人の政治無関心を象徴している。

あまりイデオロギー的になりたくないので、映画の純粋な評価を言えば、iというタイトルを付けた意味がメッセージになっていて、深い。制作者はどちらかに偏らせたいのではないことが、最後のメッセージからも読み取れる。どちらか一色に染まることが、一番怖いのだから。

そういった意味で、望月記者が悪意ある者に傷つけられることなく、メディアはこれからも権力の監視を続けてほしいと心から願う。

飽きることのない2時間を過ごせたことが、一番の収穫。面白かった。
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