もこもも

きっと、またあえるのもこもものレビュー・感想・評価

きっと、またあえる(2019年製作の映画)
4.4
仲間の絆と家族の愛を描いた、笑いあり涙ありで前向きになれる傑作のヒューマンドラマ

息子ラーガヴと2人で暮らすアニ
父と同じ大学を目指していたラーガヴは不合格だったことを知り、自分が負け犬だと絶望して自殺を図ってしまう
そんな息子の行動に後悔を抱いたアニは瀕死の状態であるラーガヴの生きる気力を取り戻すために大学時代の親友たちを呼び集め、彼に「負け犬」と呼ばれていた大学時代の物語を聞かせる...

友情の素晴らしさとか学生時代の懐かしさとか家族愛の美しさに心が動かされる素晴らしい作品や
同じインド映画である「きっと、うまくいく」と構成は似ていて、大学時代の寮の仲間たちとの回想を交えながら大人たちの再会が描かれている
学生時代のエピソードが面白すぎて2時間半の長尺にも関わらず、もっともっとアニたちの大学時代のエピソードを観ていたかった

個性豊かな仲間(悪友)たち
性欲に忠実で三枚目のセクサ、マザコンで甘ちゃんのマミー、口が悪くて喧嘩っ早いアシッド、愛煙家でみんなの兄貴デレク、アル中のヘベレケ、と個性豊かなH4の寮の仲間がラーガヴの為に駆けつける
みんな義理堅くて、仲間への想いが強くて、楽しむ心を忘れない愛すべき仲間だった
大学を卒業してから例え疎遠になっていても、仕事が忙しくても仲間の為なら駆けつける、そんな友人と出会えることはとても素晴らしいことであり、かけがえの無いもの

「お前たちは教えてくれた
 他人に負けるより
 自分に負ける方が悔しい」

それぞれの友人の紹介エピソードがあってからの仲間たちの物語はスポーツ大会が軸になって進んでいく...
一勝もできないまま進む中で、仲間たちは1番大切なものを我慢したり、卑怯にしか見えないトリックを駆使して勝利を重ねていく
酒やタバコや恋人などそれぞれの1番大切なものを我慢していて、普通なら人に見られないのだから我慢しているふりをしたり、我慢を辞めようと言い出したりすると思うけど、へべれけが病院に運ばれた時に放ったセリフがすごく印象的で胸が熱くなった

「俺が何を欲しいと思う?
 ラーガヴの合格だと思うか?
 手術が成功し息子に助かって欲しい
 息子の命が助かるなら 何も要らない」

ラーガヴが自殺を図る前のアニが悪い父親だとは思わなくて、アニはラーガウを大切に想う素敵な父親だと感じた
それでもラーガヴに無意識のプレッシャーをかけていたのも事実で、大人だって間違うんだなと、生きることは成長することだと感じさせられた

「失敗したものが負け犬になるわけじゃない
 努力したかどうかだ
 お前は全力を尽くした」

3種目それぞれの決勝はめっちゃハラハラしたし、勝ちたいと望む熱い想いに夢中になった
チェス、陸上で優勝するところも感動したし、バスケットボールは逆転できず負けてしまった後にH3の人がもう負け犬じゃないって認めるところも最高に感動した
やっぱり努力したか過程が1番大切

「この数日で大切なことを学んだ
 僕らは勝敗、成功や失敗に囚われすぎて
 生きることを忘れる
 生きる上で最も重要なのは僕自身の人生だ」
もこもも

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