ブラックユーモアホフマン

MONOS 猿と呼ばれし者たちのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)
4.0
個性的なようで意外と普通な映画だったな、という印象。

ウルフ、レディ、ビッグフット、ランボー、ブンブン、スウェーデン、スマーフの7人の少年少女。
山に暮らしている野生児のような彼らはどうやら兵士として育てられているらしい、というところから始まる。
説明が少なくどういう状況なのかだんだん分かってくるような構成。

無教養で幼さの残る彼らの間でとある事件が起こり不破が生じ、次第にチームが壊滅していく。後半の森のシーンとかは特に『ビースト・オブ・ノー・ネーション』を想起した。

画は終始美しい。前半の山のシーンは『山の焚火』や、牛がいるから『炎628』も思い出したり。
しかし映像が無駄に?美しい、そして編集もよくできているからこそ、この作品の正体不明感が薄れてしまっている感じがしてミスマッチな気も。ある意味もっと雑な撮り方でも面白かったと思う。手練れが作ってるな、という烙印が映像に押されているおかげで安心できてしまうというか。

ビッグフット役の鼻が特徴的な彼は、なんか見たことある気がすると思ったら『キングス・オブ・サマー』の彼か!ほとんど無名な他のキャストと比べてある程度キャリアのある彼が重要な役柄にあてられているんだな。

キャスティングが絶妙で、なんとなく顔つきだけでその後どういう動き方をしそうなキャラかが分かるし納得感がある。

【一番好きなシーン】
逃げる博士。雨宿りをしていると後ろから突然洪水が来て流されてしまう。