にょこ

WAVES/ウェイブスのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

楽曲の豪華さ、さすがスタジオA24からの映画といわんばかりの映像の美しさとカメラワーク。
等身大の10代、青春、って感じがよく伝わってきます。それだけで、どうにも切なくさせる。
車の中をクルクル回るカメラとか。

高校生の青春と傷ついた家族が、家族を取り戻す話です。

前半、兄の何不自由のない、むしろ恵まれた生活から転がる石のように転落していく。

そして思うに、母親は事件前から父の息子に対する態度は良くないと思っていたんでしょう。けど、自分は仕事もしてるし、タイラーも結果出せてる。
が、悲惨なことに。
事件後により夫婦関係の溝を深めてしまう。

後半の娘のターンでは事件からの孤独、ルークとの出会い、家族と向き合うための挑戦が描かれています。

父と娘が釣りをしながら語り合うシーンではジンとくるものがある。
この父親、理想主義者なのか、嫌な毒親だなぁと思っていたんだけど…親は親。
子供のことを思い、家族のことを思い…
不器用な人だ。もっと、素直に、肩の力を抜いて子供と触れ合えたら。
むしろ、今長女に言ってあげたこと、タイラーに言ってあげてた?というより、言える環境、作ってた?

この登場人物はみんな悪人ではなく、悪行に手を染めてしまったタイラーでさえ、ただの高校生。(クスリ、ダメ、絶対)

ルークを演じるルーカスヘッジス!この子もほんと等身大のキラキラした役が似合う子ですよね。
後半で出てくるとは!しかも…良い子…
この子の一歩が、みんなを救う。

愛は罪を覆う。

ただ1人の愛が、二乗にも三乗にもなって、それぞれを包み込んでいくラストはやっぱりどこか切なく、爽やかでした。
にょこ

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