三樹夫

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEの三樹夫のレビュー・感想・評価

3.8
トム・クルーズのハードアクション挑戦シリーズ。ジャッキー化がもはや止まらず、クライマックスでは『ポリス・ストーリー3』みたいなことやりだして、挙句実写で『ルパン三世 カリオストロの城』をやりだすというもう狂ったんじゃないかと思われるほどアクション主体の映画となっている。ミッション:インポッシブルシリーズはやりたいアクションが優先でストーリーは後から考えるというスーパー脳筋映画シリーズといつしかなり、プロデューサーも兼任するトム・クルーズが危険なアクションを自分で考えて自分でやるデンジャラス自作自演っぷりに、狂ったプロデューサーが夜中に良いアイディアがあると監督に電話してくるアクションジャンキーっぷりと、現代社会ではでジャッキーとトム・クルーズしか持っていないだろう願望を叶えているうちに今作は史上最高の制作費をたたき出すに至った。予算は2億9000万ドルって公共事業かな。

アクションがすべてにおいて最優先なのでストーリーははっきり言ってよく分からん。『君たちはどう生きるか』より難解。スーパーAIをコントロールできる鍵を巡っての奪い合いで、トム・クルーズ陣営は鍵の使い方がよく分からんので鍵の引き渡しを餌にバイヤー呼び出して使い方聞いたろという狙いがあるらしい。というのでデパルマが監督した一番最初の『ミッション:インポッシブル』みがある。最後は列車アクションだし。
完全に後乗せサクサクのストーリーなのに、ガブリエルグループ、パツキンねーちゃんグループなど、陣営が複数化している上に目的がよく分からず、しかもスーパーAIは自我を持っていてコンピューター機器の妨害をしてくるという複雑なストーリーとなっており、観ていて混迷しかなかった。
しかしストーリーの混迷はアクションのためのトレードオフとなっている。イタリアで化け物みたいなジープに追いかけ回されるカーアクションが良かった。車やらバイクやらを吹っ飛ばしまくるタフなボディに、怪獣の咆哮みたいな爆音のエンジン音、運転手は戦闘狂と恐ろしい車に延々追い掛け回される良いアクション。そうえいば『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』もイタリアで無茶苦茶してたが、2023年は車乗ったやべー連中がイタリアで暴れまくってる。戦闘狂おねーさんは良かったな。列車因幡の白うさぎで漫画みたいな友情が芽生えてて笑った。
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