hajime363

ジョージア、ワインが生まれたところのhajime363のレビュー・感想・評価

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ワイン発祥の地。ジョージア(個人的にはグルジアって呼び方が馴染みある)。
ワインの伝統的な製法の“現在”を写し出すドキュメント映画。

まず、自分はお酒大好きで仕事もお酒のメーカー勤務という話者の前提がありつつ、
でも、ワインは専門外なんで本作で取り上げる製法なんかはなんとなく聞いたことあるけど詳しくは知らないという温度感。

なので、序盤描かれる昔ながらの製法には感心&「うわぁー飲んでみたい!!!」の嵐。ワイン片手に観賞したかった。

中盤からは歴史の勉強。ソ連による支配≒ワイン生産の効率化による文化の破壊が言及される。

この辺から雲行きが怪しいんですけども笑
多様性としての“古きよき”は尊重すべき価値を持つ。…けど、それを絶対視して相対的に評価してもNo1だと見なす風潮は少し苦手なんです。マスなプロダクトだって良いじゃん!(社会的影響や健康的観点は抜きに官能評価のみ)


その点、救われたのがジョージアで実際に伝統的な製法でワインを醸している女性の言葉。

“I can't make better wine,but i can make good one”

字幕ではbetterを“大量生産”と訳していましたが、若干ニュアンスが違う気がしていて、もちろん“効率的”という意味では大量生産と訳すのも分かるけど「相対的に“より良い”」ものではなく、ある人にとっての絶対的な価値として“よいもの”という評価を多様性として尊重していく態度のようなニュアンスが含まれているように感じました。

ドキュメント映画あるあるを1つだけ言いたいんですけど…
今まで出てきた語り手(特に序盤の人)がテンポ良く一言ずつ何か言い出したら、そろそろエンドロール。
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