女性が家に入り、何者かに襲われる映像のフィルムに滅茶苦茶傷をつけたような映像が流れる映画
僅か10分程度の短編だが、その中に今まで観たことないような映像表現とショックが詰まっていた。
どうやらホラー映画を再編集した映画らしいが...再編集と言っていいのかこれは。
序盤は状態の悪いVHSテープのよう。映像の画質は悪く、音は飛び飛び。おまけにノイズまで鳴っている。そんな不安な映像から始まるが、女性が部屋に入った瞬間から映像の傷はもっと酷くなる。最早映像もブレブレで観れたようなものではない。だけど、女性の一つの顔に何個もの顔が見える演出は思わず「おぉ...」と思った。
そこからはもうストーリーの枠組みを越え、フィルムが流れて画面が点滅を始め、映画は破壊され歪み始め、再び反復しては破壊され、結局よくわからない状態のまま映画は終わる。
映画という粋を飛び越えて、文字通りフィルムの破壊を見せつけられたような映画。これでも映画として成り立っているのが面白い。
まさに前衛的という言葉が一番似合う。流石に前衛的すぎるホラー映画。とんでもない映像を観てしまった...って感情しか湧かない。
何だったんだろう...
