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失くした体のnamのレビュー・感想・評価

失くした体(2019年製作の映画)
3.5
「身体を求め彷徨う右手と青年の半生を描いたヒューマンドラマ」

NETFLIX配信のアニメ。
今年のオスカーではで日本からの「天気の子」なども抑えて、長編アニメ部門にノミネートされた1作。

病院から勝手に右手が動き出し、身体を求め彷徨い始める。例えるならトイストーリーのような右手の目線での大きな街を舞台に冒険していくシーンと
持ち主の青年であるナウフェルの幼少期〜現在〜手が切断されるまでの回想シーンが交互に展開されます。

ナウフェルのフランスの移民として家族や夢など1つ1つ失くしていく様子がとても切ない。そして1つの出会いから始める淡い恋愛も描いてます。

回想などはモノクロを中心にあえて冷たく描いていたり、現代で女性のガブリエルとの出会いから彩が出たりとアーティスティックに描かれます。

ただ右手が這い回る様子はちょっとしたホラーですし、ナウフェルの恋愛も配達先の女性を突き止めて、追いかけるのはストーカーにしか見えずなかなか感情移入できなかったのが正直な所、、

ただそんな運命に対する彼の行動が象徴するラストシーンはとても印象的で良かったです。
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