アキラナウェイ

失くした体のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

失くした体(2019年製作の映画)
2.5
のっけから元も子もない事を言っちゃうと、
何で右手が色んなものを見ているんだろう。
何で見えているんだろう。
右手にあるのは触覚だけ。視覚はない。
なのに、見えている風に話が進むから、もうそこで躓いた。

アニメーションでありながら、描写はリアル。
なら、設定もリアルじゃないとなぁ。
そんな事を言っても始まらないか。
些細な事は飲み込んで、鑑賞継続。

病院の保管庫から抜け出した右手。
失くした体を求めて旅に出る。
ナオフェルという青年の元へ。

右手の回想。
まだナオフェルと繋がっていた頃の記憶。

見せ方は上手い。

(見えないのは置いといて)右手の目線で描くアドベンチャーは、なかなかスリリング。鳩やら鼠やら犬やら、次々襲いかかる外敵に追われながら、ナオフェルの元へと急ぐ。

右手の追憶は、幼少期の頃の両親の記憶や、失敗ばかりのピザの配達員時代。そこで出会ったガブリエルという女性との恋。

…恋。
…恋?
いや、ストーカー?

ナオフェルの行動が、ちょっと僕にはわからない。

意中の女性に近付きたいが為に、ガブリエルの叔父の家具屋に弟子入りするナオフェル。いや、動機が不純でしょ。家具屋ナメてんのか?言わんこっちゃない、自分に近付く為に叔父を利用したと思ったガブリエルに嫌われてんの。そりゃそーだ。

屋上にイグルー(エスキモーのお家)を作る過程はワクワクした!!

もう1つ、元も子もない事を言うと、ガブリエルがブス。リアルなタッチで描かれるのはいいが、もうちょっと魅力的に描けないもんだろうか…?

これ、同じ様な話を
ジブリが手掛けたら?
ピクサーが手掛けたら?
また違ったと思うなぁ。

右手を失う事になってしまう事故のシーンは、ヒヤヒヤしたし、気の毒だとは思うけど…。

個人的には、設定が合わない、ストーリーが合わない、絵のタッチが合わない、とあまり良いとこなしでした。