KaZui

フラクチャードのKaZuiのネタバレレビュー・内容・結末

フラクチャード(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

初鑑賞:2019年10月13日
鑑賞方法:動画配信サービス(Netflix)
2019年260本目。
10月7本目。

💬レイ・モンロー(演:サム・ワーシントン)は、怪我をした娘を連れて妻とともに救急外来を訪れる。CT検査をすることになった娘は、医師に連れられて妻とともにエレベーターで下の階へと消えていく。待合室で待つことにしたレイだったが、いつまでたっても娘と妻は戻ってこない。受付に尋ねると、そもそも、娘と妻はCT検査などしていないと返事をされ、レイは、病院がなんらかの理由から妻と娘を監禁していると考える。病院全体でうごめく大きな陰謀を相手に、レイは妻と娘を救い出すことが出来るのか。...と、ここまで書くとこの映画の宣伝文通り、リーアム・ニーソン主演の『96時間(原題:Taken)』のような、父親が娘と妻のために頑張る映画のようだが、この映画の肝は他にある。ジョディ・フォスター主演の『フライトプラン(原題: Flightplan)』をご存知だろうか。飛行機の機内で消えた娘を探す物語なのだか、最初はジョディ・フォスター演じるカイル・プラットの娘探しに協力的だった他の乗客や乗務員、果ては、カイル本人や観客までもが、物語が進むに連れて、実はカイルは精神的な異常を抱えていて、娘は存在していないのではないか、と思い始めるのだ。『フラクチャード(原題:Fractured)』も展開はほとんど同じであり、おかしいのは、病院か、主人公か、というのを考えながら観るのがこの映画の醍醐味だ。良かった点は、娘と妻を救出したあとで、カイル本人を疑っていた人がそれを見て、「本当にいたんだ」と驚嘆するシーンが欲しかった、と思わせておいて、実は妻と娘の救出自体がカイルの見ていた都合の良い空想で、実際は、病院の患者のひとりを攫ってきただけだと明かされるシーン。悪い点は、途中で現れた軍の精神科医が、主人公は妻と娘を殺してしまっているといういわゆるこの話のオチ部分を話してしまった点。そこからさらにもうひと工夫されているならともかく、そのままこのオチであったために、せっかくの良い点を殺してしまっている。結局、「病院がおかしい」のか「主人公がおかしい」のかの2択しかラストがないので、オチのひとつの想像を容易にさせてしまう発言は不要だったといえる。

🗣それなりに面白かったですよ。私は、『フライトプラン』も好きですし。オチも好きです。ただ、観客に優しすぎるというか、こっち(主人公が狂ってる)の路線も頭に入れておいてね!っていうのが露骨すぎましたね。
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