rage30

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

デュポンの環境汚染を暴く、弁護士の話。

環境汚染の実態、その原因を探っていく前半部分と、デュポンとの戦いが描かれる後半部分という構成かな。
前半はミステリー的な面白さもありましたし、後半はややダレるものの、十年以上に渡る訴訟の長さを伝える為には必要な時間だったのでしょう。

しかし、デュポンのやる事がとにかく汚くて、印象に残りました。
環境汚染そのものは勿論、自社の人間を実験に利用したり、PFOAの危険を知りつつ隠蔽したり。
訴訟されない様に、汚染の事実を和らげて伝えたり、一括の損害賠償の約束も反故にする始末。
いや~PFOAも怖いけど、一番怖いのは人間だと改めて思わされましたね。

更に怖いのは、この一件があっても、デュポンが何ら反省する事なく、存在し続けてる事です。
ホームページを覗いても、この件に関する記述はないし、この映画に関してもデュポン側は非難しているんだとか。
過ちを認め、再発防止の姿勢が見れれば、まだ信用出来るのですが、それすら無視するという…。
こういう時こそ、キャンセルカルチャーが必要なんじゃないの?と思いますが、あれ程の巨大企業になると、一個人の行動では大した影響はないんですかね。

正直、映画としての面白さを問われると微妙なものの、現実を知る上で見ておいた方が良い映画だと、個人的には思います。
大企業がここまで非人道的な振る舞いをする事を知っておくべきだし、日本でも水俣病があった様に、環境汚染は何時、どの国で起こっても不思議ではないのですから。
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