Pinkman

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男のPinkmanのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「明日は我が身」

世の中の便利なものの多くは元々は軍事利用のために開発されたものだと聞いたことがある。その中にはティッシュペーパー、レトルトパック、インターネット、GPSなど、いまでは一般家庭に広く普及しているものも多い。防水加工の技術から作られたテフロンのフライパンなどもそのひとつだった。戦争のために開発された技術が戦争が終わったあとも人々を苦しめ殺していた。PFOAが原因で癌を発症する者や奇形児が生まれるケースもあった。そしてそれは決して他人事ではなく、すべてのものに関わる問題だった。デュポン社は金儲けのために世界中の生物を危険に晒した。この裁判がなければ、いまだに多くの人がPFOAの危険性を知らず、規制対象にもなっていなかったかもしれない。ロブ・ビロットの勝利は私たちにとっても意味のあるものだった。


映画「エリン・ブロコビッチ」みたいな内容かと思ったらちょっと違った。印象に残ってるのはロブが駐車場に停めた車に恐る恐る乗り込むシーン。ロブのあまりの怯えように、マフィア映画でよくある車のエンジンをかけた瞬間に爆発するシーンが頭をよぎった。金儲けのためなら人が死んでも平気な巨大組織と戦うことの怖さが伝わってきた。二十数年にも及ぶ戦いには妻のサラや上司のトムなど“ロブの家族”の理解と支えがあったことも大きかったと思う。最後のロブの台詞がカッコ良かった。
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