ゆき

わたしの叔父さんのゆきのレビュー・感想・評価

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)
4.2
斜光

ふたりの12年間が一瞬にして伝わる物語の入り方。
朝のルーティンを覗く。それぞれ好みの朝食のお供にニュースと数独。余計な言葉も交わすことはない。
叔父さんと家業で埋め尽くされたクリスのタイムスケジュール。ただ、叔父さん目線では時間は映らない。
些細にも思える「新規項目」がクリスの日常を脅かす。それは叔父さんとの慣れた生活に依存しているようにも見えた。
狭い世界で足掻くクリスの葛藤ゆえのわがままも多い。
クリスなりの工夫とクリスなりの決断。そして叔父さんの優しさと周りの人の配慮。
くすくすと笑えるシーンがたくさんちりばめられていて、鑑賞後まで心がポカポカする。洗濯物とヘアアイロン、デートのシーンが好き。
ぐっと胸を締め付けられるラストカットの余韻。
何気ない日々の愛情に涙が止まらない、とても好みの106分でした。

×××
自然豊かな農村で叔父と二人暮らしのクリス。足が不自由な叔父さんの世話と酪農の仕事で日々を消化していたが、かつて目指した「獣医」という夢を再び意識し始め、新たな出会いもあったことで悩みは尽きなくなった。
ゆき

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