こーたろー

わたしの叔父さんのこーたろーのレビュー・感想・評価

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)
4.0
やっぱり北欧の映画好きだなあって思い直した作品

この映画は説明的なセリフやシーンが一切なく、冒頭は特にひたすら主人公と同居している叔父さんの生活の描写を淡々と映しているだけ。しかし、セリフもなく日常を過ごしている映像だけでこの二人が深くお互いのことを信頼して、家族としての愛情を持って接していることが画面からひしひしと伝わってくる。

本作の見所は描写の丁寧さだけではなく、叔父さんが主人公たちのデートに混ざるシーンなど笑えるシーンもところどころにある所だと自分は思う。リアルな生活の描写と少し笑えるシーンの配分がちょうど良く、とても暖かい気持ちで鑑賞することができた。

身内を亡くした主人公の悲しみ、夢を諦めきれない悔しさ、自分の近しい人を置いていく不安。主人公の複雑な感情が北欧の美しい牧場風景を通してひとりの人間が描写されてて素晴らしかった。