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テイクオーバーゾーンのebiflyのレビュー・感想・評価

テイクオーバーゾーン(2019年製作の映画)
3.7
舞台挨拶付きで鑑賞。始まって7割くらいまでは、かなりいい世界観と展開だったけど、収束が一気にチープになった感覚。それでも、ラストシーンの親子の"ようやく"は、やっぱりグッときた。

沙里と雪菜役の二人は、普段は全く別の性格らしく、ちょうど入れ替えたような関係だそう。そうは思えないほど、特に沙里役の吉名さんは、すごくハマってたし、悪態ぶりが自然すぎた。

教育関係の仕事をしていることもあり、ああいう子にはよく出会う。型にはめようとする大人と、はまりきらない思春期の子ども。でもそれって結局、親や周りの大人の問題が大あり。子どもはその犠牲者でしかない。

途中でわかる沙里と雪菜の関係性は、さすがにそれはないでしょ感もあるけど、もしそうなら、心のざわつきは相当なものだろう。やっぱり血は血だし、距離は詰めすぎない方がいい場合もある。なんか最後は、みんながそれを掴んだ感じで気持ちが良かった。

なんと言っても、川瀬さんが最高なんだよなぁ。今回はクズ感の中に、むちゃくちゃあったかい人間性が透けて見えて、その演技の塩梅も最高。替えのきかない役者さんだ。

舞台挨拶での本物の糸瀬さんはとても美しく、ナチュラルな魅力の吉名さんは画面の中ではありながら、とても惹かれた。今後の活躍に注目したい。

ワンカットのほんとのラストシーンは、結構いいです。
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